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9月1日は防災の日です。

この夏、日本では大きな災害が続きました。
今回は防災とオーラルケアという視点から、備えておきたいことをお伝えします。
この夏、私たちが目にした2つの災害
2026年7月28日、熊本県で最大震度7を観測する地震が発生し
広い範囲で断水が続き、多くのかたが避難生活を送られました。
その2週間ほどあと、2026年8月13日から14日にかけて千葉県で記録的な大雨がありました。
被害に遭われたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。
避難生活で、お口の中に起きること
災害が起きると、まず水と食料の確保が優先されます。
歯みがきは、どうしても後回しになりがちです。
しかし断水が続くと、口の中の環境は急速に悪くなっていき
水分が十分に取れなかったり、慣れない環境で緊張が続いたりするため、唾液も減ります。
唾液には汚れを洗い流す働きがあるため、唾液が減ると細菌が増えやすくなります。
過去の災害では、避難所での生活が数日続いた時点で口の中の細菌が大きく増えたという報告もあります。
誤嚥性肺炎という災害関連死のリスク

そこで心配されるのが誤嚥性肺炎です。
食べ物や唾液が誤って気管に入り、口の中の細菌によって起こる肺炎をいいます。
過去の大きな地震では、亡くなられた原因として呼吸器の病気が大きな割合を占めたことが報告されています。
その多くが肺炎でした。
高齢のかたは特に注意が必要です。
つまりお口を清潔に保つことは、命を守ることにつながるのですね。
水や歯ブラシがない時の歯磨き
では水が自由に使えないとき、歯ブラシがない場合はどうすればよいのでしょうか。
そのときはハンカチやティッシュを指に巻いて、歯の表面をぬぐってください。
ところが、うがいだけでは歯垢は落ちません。
こすり取るという動作が大切なのです。
ただし、強くこすりすぎると歯ぐきを傷つけることがあります。
力を入れすぎず、ていねいに動かすことを心がけてください。
備蓄に入れておきたいオーラルケア用品
防災とオーラルケアを考えるうえで、備蓄品の見直しは欠かせません。
以下のものを、防災バッグに加えてみてはいかがでしょうか。
- 歯ブラシ(家族の人数分)
- 液体ハミガキ、または洗口液
- キシリトール配合のシュガーレスガム
- 入れ歯をお使いのかたは、入れ歯ケースと洗浄剤
- 口腔ケア用のウェットシート、スポンジブラシ
液体ハミガキ
液体ハミガキは水がなくても使えるので、特に役立ちます。
ポーションタイプがおすすめです。

適量を口に含み、20秒ほどすすいでから磨くという使い方です。
磨いたあと、水ですすぐ必要はありません。
なお、アルコールを含むタイプは口の中が乾きやすいと感じるかたもいます。
口の渇きが気になる場合は、ノンアルコールのものを選んでおくとよいかもしれません。
歯磨き粉不要歯ブラシ

また、うえさか歯科・矯正歯科で取り扱っているMISOKAという歯ブラシは、少量の水だけで磨けます。
毛先の一本一本に、ナノサイズのミネラルがコーティングされた歯ブラシなので歯磨き粉をつけなくても磨けるつくりになっています。
歯磨き粉の泡が立たないぶん、すすぐ回数も少なくて済みます。
実はこのMISOKA、箕面市半町にある株式会社夢職人がつくっています。
地元で生まれた歯ブラシが、いざというときに役立ってくれるのは、なんだかうれしいことですね。
災害時用歯磨きセット

ただし、断水が完全で、水が1滴も使えないこともあります。
そんなときのために、水をまったく使わないケア用品も市販されています。
たとえばCORAFTURE(コラフチュール)の「無水ハミガキセット」です。
無水歯ブラシ、フロス、ハミガキシートがひとまとめになっています。
磨いて、かき出して、拭き取る。
この3ステップで、水なしでもお口のケアが完了します。
1セットでひとり3日分という設計です。
支援物資が届くまでの期間を想定してつくられているのですね。
監修には、災害時の口腔ケアに長く携わってきた歯科医師や歯科衛生士が加わっています。
うえさか歯科・矯正歯科で取り扱っている商品ではありませんが、備えとして知っておいていただけたらと思います。
そこで、少し多めに入れておくと安心かもしれません。
ローリングストックという考え方
備蓄というと、しまい込むイメージがあるかもしれません。
しかし使わないまま置いておくと、いざというときに古くなっています。
そこでおすすめなのがローリングストックです。
普段使うものを少し多めに買い、古いものから使って買い足していきます。
次に歯ブラシを買うとき、1本多く手に取ってみてください。
それだけで備えになります。
唾液を出す工夫も忘れずに
避難生活では、唾液の量が減りやすくなります。
だからこそ、意識して出す工夫が役に立ちます。
- よく噛んで食べる
- 耳の下やあごの下をやさしくマッサージする
- 口や舌を動かす簡単な体操をする
- こまめに水分を取る
どれも道具がいらないので、覚えておくと安心です。
ガムを噛むのも有効ですが、入れ歯のかたは外れやすくなることがあります。
その場合はマッサージや体操のほうが向いています。
入れ歯をお使いのかたへ
避難するとき、入れ歯を忘れずにお持ちください。
そして入れ歯がないと、食べることも話すことも難しくなります。
災害時にすぐ作り直せるとは限らないためです。
外した入れ歯は、ティッシュに包まないほうが安全です。
ゴミと間違えて捨てられてしまうことがあるためです。
入れ歯ケースを備えておくと、こうした心配が減ります。
また、入れ歯を入れたままにしていると、粘膜に傷や炎症が起きやすくなります。
1日1回は外して洗い、粘膜を休ませる時間をつくってください。
水が乏しいときは、ウェットシートで拭くだけでも違います。
なお、入れ歯洗浄剤がない場合は、水でよく洗うだけでもかまいません。
ただし熱いお湯は変形の原因になるので避けてください。
お子さまと高齢のご家族がいる場合
家族構成によって、備えておきたいものは変わってきます。
お子さまがいるご家庭では
避難所では、支援物資としてお菓子やジュースが配られることがあります。
もちろん不安な状況の中では、それが心の支えになる面もあります。
ただし食べる回数が増えると、むし歯のリスクは上がります。
そこで、時間を決めて食べる工夫があると安心です。
お子さま用の歯ブラシと、うがいのいらない歯みがきシートを入れておくとよいですね。
歯みがきをいやがるお子さまには、まず水分を取らせるだけでも意味があります。
高齢のご家族がいるご家庭では
ご自身で口のケアが難しいかたには、周りの手助けが必要になります。
まず大切なのは、汚れを飲み込ませないことです。
拭き取ったものは、外に出すか回収するようにしてください。
スポンジブラシや口腔ケア用のウェットシートがあると助かります。
高齢のかたほど誤嚥性肺炎のリスクが高いので、優先して備えておきたいところです。
いちばんの備えは、普段のお口の健康です
災害時に歯が痛くなっても、すぐに歯医者にかかれるとは限りません。
治療途中の歯や、放置している親知らずがあると、避難生活の中で悪化することもあります。
もちろん災害を予測することはできません。
ただし、お口の状態を整えておくことはできます。
防災とオーラルケアを結びつけて考えるなら、これがいちばん確かな備えかもしれません。
たとえば詰め物が取れかけたまま放置していると、避難先で痛みが出ることがあります。
ですから気になるところは、落ち着いているうちに整えておきたいところです。
うえさか歯科・矯正歯科では、定期的なメンテナンスで歯ぐきの状態や治療の必要な箇所を確認しています。
通院が難しいかたには、訪問診療にも対応しています。
ご高齢のご家族がいらっしゃる場合は、こちらもご相談いただけたらと思います。
※訪問診療には対応地域や条件があります。詳しくはお問い合わせください。
まとめ
防災とオーラルケアは、切り離せない関係にあります。
歯ブラシ1本と液体ハミガキ1本を防災バッグに入れておく。
たったそれだけのことが、避難生活での体調を守ります。
防災の日をきっかけに、ご家族で備えを見直してみませんか。
そして気になるところがあれば、落ち着いているうちにお口の点検を受けておきましょう。
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