目次
歯科の精密治療で欠かせないもので1、2位を争うのが歯科用顕微鏡、マイクロスコープです。
保険治療でも一部導入され始めた歯科マイクロスコープを勧める理由を解説します。
マイクロスコープを勧める理由
1. 視野を拡大し、精密な治療が可能
肉眼の最大20倍まで拡大でき、細かい根管の構造を正確に把握できる。
まずは圧倒的な倍率です。
高倍率の拡大鏡、ルーペでも10倍が限界ですが、マイクロスコープは3倍から20倍まで各段階で切り替えられます。
根管の形は複雑で、肉眼では見えない細い根管や分岐も確認できるため、感染部位の取り残しを防ぐことができます。
2. 再治療のリスクを減らせる
根管内の感染をより確実に除去できるため、再発や根管治療のやり直しを防げる。
まず歯の治療は初期治療が重要です。
初回治療の成功率が向上すると、長持ちする治療が可能になります。
歯は治療を繰り返す度に削る量が減り、やがて神経の治療に至ります。
神経の治療はかなり細かい治療のため、拡大視野下が必須です。
どこかでマイクロ治療を挟むだけで歯の寿命が伸びます。

根管治療
3. 歯の削る量を最小限に抑えられる
健康な歯質をできるだけ残しながら治療できるため、歯の強度を保ちやすい。
先ほどの寿命の話につながりますが、歯を失う理由で多いのは歯の破折です。
神経を取ると歯が割れやすくなりますが、なるべく多くの歯質が残っていることが割れにくさにつながります。
結果的に歯の寿命を延ばすことにつながります。
4. 診断の精度が向上
ひび割れや隠れた虫歯など、通常のレントゲンでは分かりにくい問題も確認できます。
歯のひびは経過観察で問題ないものと、治療に踏み込むべきものとがあります。
それもレントゲンでわかることもありますが、実際に見る視診も重要です。
その際に高倍率で確認することで見逃しを防ぎます。
また、正確な診断ができるため、最適な治療計画を立てやすくなります。
5. 治療の成功率が向上
感染の取り残しや根管の見落としが減ることで、治療の成功率が高まる。
特に再根管治療や難治症例では、マイクロスコープの有無が治療結果を左右します。
歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)のデメリット
いいことは多数あるのですが一部欠点や施設の問題を列記します。
1. 設備コストが高い
- マイクロスコープ自体が数百万円以上と高額。
- 高性能な顕微鏡を導入する歯科医院が限られる。
2. 診療費が高くなる(保険適用外が多い)
- 日本の保険診療ではマイクロスコープの使用が十分に認められていない。
- そのため、自費診療になり、治療費が高額になることが多い。
3. 治療時間が長くなる
- 精密な治療を行うため、通常の根管治療より時間がかかる。
- 一回の治療時間が長くなり、患者の負担が増える場合も。
- 小児など早さが求められる際に不向き。
4. 術者のスキルが必要
- 顕微鏡を使いこなすには専門的な訓練が必要。
- 熟練した歯科医でなければ、マイクロスコープを導入しても十分な効果を発揮できない。
5. 限られた診療室環境が必要
- マイクロスコープは大きく、設置スペースが必要。
- 患者の体勢や治療の角度によっては、使用しにくい場面もある。
結論
マイクロスコープを使用すると、視野の拡大によって精密な治療が可能になり、治療の成功率が向上します。
その結果、再治療のリスクを減らし、歯の寿命を延ばすことができるため、根管治療には不可欠な機器といえます。
マイクロスコープは根管治療の精度を向上させ、成功率を高める重要な機器だが、高額な設備投資、治療費の増加、時間の長さなどの課題もある。
また、導入する歯科医院が限られるため、患者側も医院選びが重要になります。
マイクロスコープは自費診療などで費用が高くなる場合もありますが、結果的にやり直しの治療が減り、費用を抑えられる可能性もあります。
そして拡大鏡(ルーペ)と顕微鏡(マイクロスコープ)どちらが適しているかは担当の先生とご相談ください。
精密根管治療については下記をお読みください。
https://us-familydental.com/root/
LINE相談希望の方は下記バナーをクリックしてください。
医院での無料ご相談は下記よりお電話か、ネット予約フォームをご利用ください。
お電話
072-725-8148
ネット予約は下記から
https://www.genifix.jp/us-familydental-caa/p/reserve/first_time/interview