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精密根管治療とは
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根管治療
まず、いわゆる歯の根っこの治療、根管治療について説明します。
根管治療とは、歯の根の内部にある神経や血管(歯髄)が細菌に感染したり、死んでしまったりした場合に行われる治療法です。
虫歯が深く進行したり、歯に強い力が加わって歯髄が損傷したりすることが原因で起こります。
なぜ根管治療が必要なの?
- 痛みや腫れの軽減: 感染した歯髄は、痛みや腫れを引き起こす原因となります。
根管治療で感染源を取り除くことで、これらの症状を改善できます。 - 歯の保存: 歯を抜かずに済む可能性が高まります。
- 他の歯への感染防止: 感染が他の歯に広がるのを防ぎます。
根管治療の流れ
- 麻酔: 局所麻酔を行い、痛みを最小限に抑えます。
- 感染した歯髄の除去: 特別な器具を使って、感染した歯髄を根管から丁寧に除去します。
- 根管の洗浄・消毒: 根管を徹底的に洗浄・消毒し、細菌を完全に除去します。
- 根管充填: 根管内に薬剤を充填し、密封します。
- 被せ物の装着: 治療後の歯を保護するために、被せ物を装着します。
根管治療の難易度
ここまでの説明を聞くとしたことがあるという人もおられると思います。
根管治療は肉眼で見えない細菌との戦いのため難易度が非常に高いです。
根管治療は、再発リスクが高い治療と言われています。
根管内に細菌汚染が起こると、徐々に病巣が広がっていきます。
治療が長引く、または再発を繰り返すと、歯質は脆く弱くなります。
最終的には歯そのものを失うことになります。
実は日本の根管治療の半数以上はやり直しの治療と言われています。
抜髄と呼ばれる最初の根管治療は上手にすれば9割以上の成功率と世界的には言われています。
しかし日本ではこの水準に達しておらず、50%以下です。
この差を生み出している一番の理由は保険診療にあるとしか言いようがありません。
日本の根管治療と世界の根管治療
虫歯の詰め物や歯周病治療は保険の範囲内で行ってもある程度採算の取れる診療ですが、
根管治療に関しては不採算治療になります。
その為早く終わらせたり、手間を省き、採算の取れる被せ物に移行しがちです。
また、近年ではようやくマイクロスコープ、ニッケルチタンファイル、CTの使用が一部認められました。
しかし制約が多く、8割以上の根管治療で使用できません。
それでもしっかり治療するために使用しているところもありますが、保険請求ができない以上赤字となっています。
具体的な違い
項目 | 保険診療 | 自費診療 |
---|---|---|
使用する材料 | 保険で認められた材料 | 高品質なセメント、金属など |
治療器具 | 保険で認められた器具 | マイクロスコープ、ラバーダムなど |
治療時間 | 制限がある場合がある | 患者に合わせて調整可能 |
治療回数 | 制限がある場合がある | 患者に合わせて調整可能 |
費用 | 3割負担 | 全額負担 |
治療結果 | 治療方法や材料の制限により、治療結果が十分でない場合がある | より高度な治療が可能で、自然な歯に近い状態に修復できる |
精密根管治療の特徴
精密根管治療で重要となるのはいかに根管の中を無菌状態に近づけるかです。
その為に必要になる5つのポイントをご説明します。
拡大視野での治療
マイクロスコープや高倍率ルーペを使うことで6倍から最大20倍近くまで拡大して治療できます。
根管は数ミクロンの幅しかないところを治療することになります。
肉眼では感覚に頼るところが多いですが、拡大視野下で治療することで精密な治療が可能になります。
また高照度のLEDによってしっかり照らし確認することができます。
無菌状態の保持
虫歯をしっかり取り除き、治療中に外部から菌を感染させないことが根管内の無菌化において重要になります。
唾液に存在する数億個の菌が虫歯や歯周病の原因になり、これらを根管に入れないことが必要です。
歯を樹脂で覆い、ラバーダムと呼ばれるゴムのマスクで覆うことで感染を防ぎます。
手術時のドレープ(覆布)のような役割です。
ラバーダムをすることで唾液の侵入を防ぎ、消毒力の高い薬剤なども安心して使えます。
3次元的な根管の形態の把握
歯科用CTを使って歯根形態を確認することによって、複雑な根管も治療しやすくなります。
保険診療で使う二次元的なレントゲンでもある程度の予測はできます。
しかし情報量に圧倒的な差が生まれます。
勘に頼った従来の治療ではなく、正しい情報を元に正確な治療予測が重要です。
最新の器具や材料を使う
次亜塩素酸や超音波チップ、水酸化カルシウム薬など以前から使われ、今も最前線で使われているものもあります。
現在、ニッケルチタンファイルやMTA製剤、歯科用レーザーなど最新のものは歯に優しく、予知性も優れています。
治療効率を上げたり、生体親和性が良いものもあり、曲がった複雑な根管も治療できます。
結果として再根管治療のリスクが減ります。
時間的制約がない
保険診療では極端に安い根管治療は短い時間で消毒薬を何回も交換して治すという治療になります。
しかし回数をかける治療は感染のリスクが上がるだけでなく、歯の耐久性も下がります。
一回の治療時間を十分に取り、精密な治療をきちんとする。
これが結果的に治療回数の短縮になり予後の良い結果につながります。
精度の高い歯冠修復
根管の治療後は被せ物を被入れて歯の形を取り戻します。
その被せ物の精度によって予後が変わります。
理由はしっかり噛めるようになっても神経をとった歯は割れるリスクがあります。
また2次う蝕からは感染しやすくなります。
その為精密な被せ物を入れることで、割れるリスクが減り、再感染のリスクが下がります。
削れた歯には象牙細管という根っこに繋がる細い管が露出します。
ここが2次う蝕によって感染すると管を通じて歯が脆くなり破折、感染のリスクが出ます。
精密な形成(歯を被せに合わせて削ること)と型取りによってピッタリした被せ物が出来上がります。
またセラミックはとてもツルツルしているので汚れや細菌が付着しにくいため虫歯になりにくいです。
注)根管治療を保険外診療で治療した場合は保険の被せ物は選択できません。
他院で治療することは可能です。
被せ物について詳しくは下記をご覧ください。
https://us-familydental.com/ceramic/
まとめ
根管治療は歯を保存する最後の砦です。
現在の保険診療で最も制限を受けている根管治療は成功率を下げ、抜歯のリスクを高めています。
しっかり時間を確保し、無菌的に精密に治療することで予知性の高い根管治療ができます。
それでも難しい場合は外科的歯内療法という手術を伴った方法があります。
根管治療が終わったら精度の高い被せ物を入れましょう。
根管治療についてはこちらをお読みください。
https://us-familydental.com/root/
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