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TCH(歯列接触癖)ってなに??

2024年1月31日

こんにちは。
箕面市瀬川の歯医者、うえさか歯科です。

今日はちょっと聞きなれない言葉を説明いたします。

普段歯医者に行って虫歯も歯周病もないと言われるのに、歯が痛かったり、しみたり、噛んで痛かったりはありませんか?

その症状はすべてTCHが原因かもしれません。

歯ぎしりや食いしばりを自覚している方は是非読んでいただきたい内容になります。

TCHとは

Tooth Contacting Habitの略で日本語にすると上下歯列接触癖です。

皆さんは普段口を閉じているときに、口の中で上下の歯はどの位置にあるでしょうか。

普段なにもしていない状態では、上下の歯は約1~3mm程度離れているのが本来正しい位置であると言われています

こちらは安静空隙とも言われています。

上下の歯は本来は1日17.5分しか接触していないと言われています。

これは食事時に噛んでいる時、飲むこむ時や話しをする時などの全ての時間を合わせた分数となっています。

TCH(歯列接触癖)はこれが出来ておらず、口を閉じているときに、前歯なり奥歯なりどこかしらの歯が上下で触れ合ってしまっている状態のことを指します。

TCH、歯列接触癖

TCHが原因で起こること

歯にかかる悪い力といえば、歯ぎしり、くいしばり、噛みしめなどを想像される方が多いと思います。

TCHはこれらに比べて、歯が触れ合っているだけなのでそこまで強い力ではありません。

しかし働きかける時間が長時間なため、色々な問題を引き起こす可能性があります。

歯医者に通っていて問題はないと言われるが
痛みがとれない
歯が染みるのが治らない
入れ歯の調整をしてもらってもしばらくすると痛みが出る
などといった症状はこのTCHが原因となって引き起こされていることがあります。

TCHが慢性化すると

TCHは癖であり、患者さん本人は気がついておらず無意識にやってしまっていることが多いです。

人間は緊張したときや、集中したとき、少しうつむいて作業をするときなどに自然と歯が接触しやすい状態になります。

その状態が繰り返されることが続くと脳が慣れ、歯が触れている状態であることが普通になります。

歯を触れさせているほうが楽だったり落ち着くと感じるようになり、それに気がつかなくなってしまいます。

短時間の接触であれば問題はないのです。

通常であれば1日に約20分程度しか接触していないはずが、何時間もずっと触れ合うことにより、筋肉や関節に負担がかかり疲労していきます。

この疲労状態が常態化すると痛みとなり、顎の関節や口の中に様々な異常として現れます。

例えるならずっと正座をしたままであれば足がどうなるかという感じでしょうか。

顎関節症をお持ちの方は、症状を悪化させる原因のひとつとなります。

TCH、歯列接触癖

TCHが原因で起こるトラブル

またTCHをそのままにしておくと、歯や歯ぐきなどに常時力がかかっている状態が続きます。
原因が明らかではないのに歯が痛くなる
歯周病が悪化する
知覚過敏が繰り返す
歯の根の治療中に歯の痛みがとれないといったことを引き起こします。

また、歯に舌やほっぺたを絶えず押し付けてしまうことにより
誤って噛んだり
口内炎がよくできる
噛むときに使う筋肉が疲労して、口の開け閉めや舌の動きが悪くなり活舌が悪くなる可能性もあります。

他にも歯や詰め物に常に力や揺さぶりが加わり続けることにより
詰め物が外れやすくなったり
歯にひびが入ったり割れる
インプラントを入れている方はネジが緩むことにつながる可能性があります。

入れ歯の方は入れ歯が割れやすくなります。
入れ歯が絶えず粘膜に押し付けられているため血行が阻害され傷やできものができたり、痛みにつながります。

TCHは無意識でやってしまっているために、なかなか自覚することが難しいのが実際です。

睡眠時にも影響

TCHはブラキシズムという、歯ぎしりや食いしばりといったお口の中に本来かかる必要のない力の仲間に分類されます。

歯ぎしりや食いしばりが、寝ているときにおこる睡眠時ブラキシズムと呼ばれます。
対してTCHは起きている間におこる覚醒時ブラキシズムに分類されます

歯ぎしりや食いしばりが起床時に症状が強く現れ、夜にかけて症状が消えます。

対し、TCHなどの覚醒時ブラキシズムは起床時には症状はなく、日中に徐々に強くなってゆき、夕方から夜にかけて最も強くなります。

これがひどくなると日中も寝ている時も食いしばったりするのが正しいと脳が錯覚します。

そうすると一日中ループすることになります。

診断

TCHは現在客観的な方法で判定することが一般的です。

舌や頬に歯の痕がついている、歯がすりへっている、頬の筋肉が張っているなどの特徴と合わせて、歯科医院でいくつかの方法で調べることができます。

また、自分で決まった時間にチェックすることでも自覚はできます。

治療

これは癖なので治療とは違うのかもしれませんが、治療法の一例として、習慣逆転法を紹介します。

まず最初のステップとして、上下の歯がくっついている時には顔や顎の筋肉が収縮して緊張します。

これを実際に触ってもらって実感することにより動機づけをします

次に、自分がよくいる場所や作業机などの見える場所を探します。
そこに「歯を離す」「上を向く」「チェックする」などのメモや付箋を貼り付けておきます。

これにより歯列接触癖を自分に気づかせるようにトレーニングをします。

この時、メモを見たらその場ですぐに上下の歯が触れているかどうかをチェックします。

もし触れていた場合は大きく深呼吸をし、両肩も一緒に大きく上げます。
その後ゆっくり口から息を吐きつつ肩を落とし脱力します。
そして自然と歯と歯を離します。

このように癖に気がついたら、脱力して自身の行動を一度リセットするというサイクルをつくることによって、癖を徐々に抜いていく方法です。

前述したようにTCHは癖なので、最も有効な治療法は癖を自覚して、日常生活を改善することです。

例えば、ほおづえをつく、爪をかむなどといった癖のように。人から指摘されるまで気がつかないことが多く、やめようという自分の意思が重要です。

対症療法

また、対症療法にはなりますがマウスピースを作ったり、ボツリヌス療法などがあります。

これらはTCHによって起こった症状に対するアプローチになります。

ボツリヌス療法について詳しくは下記をご覧ください。
https://us-familydental.com/anti_aging/

まとめ

TCH、歯列接触癖はお口のあらゆるトラブルを引き起こす原因となります。

まずはしっかり自覚することが大事です。

日々の生活を見直してみましょう。

自覚があれば歯科医院を受診してください。

あなたに合ったアドバイスを受けられるかと思います。

ご相談は下記よりお電話か、ネット予約フォームをご利用ください。

お電話
072-725-8148

ネット予約は下記から
https://www.genifix.jp/us-familydental-caa/p/reserve/first_time/interview

 

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